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<レポート>フォーラム「子どもたちの未来、子どもの本の未来」

2017.05.06 | カテゴリー:その他のお知らせ

 【2017年3月11日(土)14:00~16:00 信濃むつみ高等学校1階ホール】

塾長もメンバーの一人である、一般社団法人「日本ペンクラブ」が松本市で開いたこのフォーラムに、信州自遊塾は共催という形で参加。会員は16名、全体では160名が会場を埋めました。

第1部 対談 ポスト3・11、未来をどう描く―暮らすこと、生きること―

浅田次郎(作家)×滝沢眞規子(雑誌「VERY」専属モデル・2016年ベストマザー賞)  進行:松本 猛

松本に来たのは初めてという浅田さんは、原発について、「チェルノブイリにも行ったが、原発は、事故が1万分の1で起きるとしても持つべきではない。日本で3.11以降電気が足りていることを思うと必要なかったのに54基も作ったのは、作ること自体の経済的な意味のためでは」と話しました。

 

夫の出身地が千曲市という滝沢さんは、3.11時「死」について自分の子供達が考えるようになった時に『わすれられないおくりもの』という絵本を読んで救われたそうです。

また、浅田さんは、

  • 近刊の『帰郷』について、戦争を取り上げた文学は売れないが書き続ける使命がある
  • 3.11の後「今までと変わらず一生懸命やろう」と思った
  • 押しつけになりがちな「映像」の時代の今、想像力を再生産する「活字」が重要
  • 小説や芸術は、学ぶものではなく、アニメやゲームのような「娯楽」
などの他、作家になる前はアパレル業界で婦人服を売っていたので、滝沢さんとモデルの仕事についても話しました。

滝沢さんは、子供が自分で本を読めると思っても、読み聞かせは大事、と母親としての思いも語りました。《記録 松尾》

第2部 鼎談 本はどんな力になれるのか?―いま、この国の希望を探る―

あさのあつこ(作家)×竹内忍(信濃むつみ高等学校教頭)×山田健太(専修大学教授)

専修大学文学部でジャーナリズムを教えながら、学生たちと福島など3.11の現場にも通っているという山田健太さんは、「震災後6年たっても変わってないことがたくさんあることを伝えていく義務がある。一方で、新しい町や文化ができるなど変化もある。これをサポートし、広く知らせていかなければ」と口火を切りました。
続いて、あさのあつこさんは「三女が福島出身の男性に嫁ぎ、いわき市に暮らしていた。当時7ヶ月の子どもを抱えていたので岡山に帰ってきた。3.11の出来事は決して他人事ではないのに、生活が安定してくると忘れてしまっている自分がいる。1月には神戸、3月には福島、8月には広島・長崎と、あの戦争を思い出しても、少し経つと忘れてしまう。それが一番情けなく、怖いこと。なぜ忘れてしまうのかということを考えていきたい」と話しました。

「今回のフォーラムに参加するにあたり、学生たちと“自分たちの未来に希望はあるのか?”について考えてみた。ここ最近の政治状況を見ると、希望を持てなくなる状況はある」という竹内忍さんが、会場の若い世代に「未来に希望があると思っている人は?」と問いかけると、「ある」と「ない」が半々の状況でした。

あさのさんは、「“希望を持つこと”や“絶望すること”は本来個人的なもの。それを個人から奪って、大きなものが支配しようとしている。一個の人として希望や絶望しつつ、時代を批判することを許さない、巧妙に仕掛けられたものがある。国と個は相対するもの。個は一個の塊、塊がしっかりあれば流されない。国のために、社会のために役立たなければ価値がないという基準に迎合せず、個としての考えを持つことを手放さずにいたい」と語りました。

また、山田さんは「この国における“表現の自由”が脅かされつつある」と警鐘を鳴らしました。《記録 松本(照)》

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